モラヴィアの大草原を見るはずだったのに・・・・

なにがきっかけだったのか思い出せないけれど,インターネットで偶然,チェコにあるモラヴィアの大草原の写真を見てしまって,この景色を見たいと言う思いがふつふつと湧いたのでした。

その大草原の写真の1枚がこれ。

出典:piximus.net


もっとたくさんの写真を見たいという人は,下のHPを見てね。

http://piximus.net/others/green-fields-of-moravia

私のように,この草原に惹かれた人は大勢いるみたいで,ブログ等に結構たくさんの記事があります。でも,どの記事を読んでも,「この辺」と言うことはわかるけれど,「ここ」と場所を教えてくれるものは見当たらない。

それでも一生懸命情報を集め,旅行の計画を立て,行ってきました。

今回の旅行はウィーンに入り,そこでレンタカーを借りて,時計回りでオーストリアのバッハウ渓谷,チェコのチェスキークルムロフ,ホラショヴィツェ,そしてモラヴィアの草原を見て,スロヴァキアの首都ブラティスラバを訪れ,ウィーンに帰るという工程です。日本でお盆の行事もあるので,8月6日から11日までの6日間の旅行。

初日はウィーンまでの移動でおしまい。関西空港からフランクフルトに飛ぶフライトが45分遅れ,フランクフルトからウィーンに向かう飛行機の乗り継ぎに間に合いませんでした。入国審査にも時間がかかって(毎度のことながら,大行列ができていても人を増やすわけでもなく,時間が来たらさっさと窓口を閉めてしまう等,サービス精神の欠片もない入国審査),予定よりも2本遅れの便で2時間遅れてウィーンに到着。翌朝,レンタカーを空港でピックアップするために,空港に隣接するホテルで宿泊です。最終日の宿泊も同じホテル。

メルク修道院
2日目,8月7日。予定通り,9時半にレンタカーをピックアップして,ヴァッハウ渓谷の中心地メルクに向かいます。お目当ては世界遺産のメルク修道院。

メルク修道院内部
内部には教会はもちろん,歴史のある図書館もありました。でも,図書館は内部の撮影禁止。今までも,例えばオーストリア国立図書館のように歴史のある図書館をいくつか見学したことがありますが,やはり古い蔵書がたくさんあるからでしょうか,内部の撮影ができたのはオーストリア国立図書館だけだった記憶があります。天井まで並んだ古い本の数々は,今でもページを繰られることがあるのでしょうか。

見学通路の途中に,ドナウ川とその河畔に広がるメルクの町が見おろせる大きなテラスがあります。
メルクの街並

メルク修道院の尖塔
そこから見える2つの尖塔がメルク修道院のシンボルだと思うのですが,残念ながら,今回はそのうちの1つが外壁工事中で網の中でした。

メルクの町も,小さくて美しい町なのですが,今回は先を急ぐため,散策はお預け。

2時間ほどかけてチェスキークルムロフに移動です。

今回,オーストリア,チェコとスロヴァキアの高速道路を走るのですが,有料です。
ヴィニエットと呼ばれる通行券を国境やガソリンスタンド等で購入して,フロントガラスに貼ったり,携帯しなければいけません。
オーストリアの分はレンタカーに最初から貼ってあったのですが,チェコとスロヴァキアの分は,ガソリンスタンドで買いました。
でも,どちらも最短期間が10日間有効のもの。それぞれ2日間ずつしか走らないのに。

チェスキークルムロフは「世界一美しい町」と呼ばれ,プラハを訪れる人がついでに足を伸ばすことが多いようですが,私たちは2007年にプラハを訪れたものの,チェスキークルムロフには行ってなかったのでした。

チェスキークルムロフ城の塔

チェスキークルムロフの町
午後3時過ぎに到着。宿にチェックインして,まずお城へ。

お城の中はガイドツアーでなければ入れません。英語のガイドツアーを選んで,午後4時ちょうどのツアーに参加。ローゼンベルク家の話を中心に,この町の歴史を説明してくれるのでとても勉強になりました。今はとても美しくて,観光客でいっぱいのチェスキークルムロフも,ずいぶん荒廃した時期があったんですね。お城の内部には,あちこちに熊の剥製があったのが印象に残っています。

町はほんとにかわいくてきれい。小さな町で,半日もあれば見て回れます。

しかし,ハイシーズンということもあって,人の多いこと!特に中国人と韓国人の観光客が多く,そこらじゅうでスマホの自撮りをしていました。なかなか撮影スポットが空かない・・・。
かつて高度経済成長の時代,日本人もイエローモンキーと言われながら,海外を団体旅行していたときも,こんなふうだったんだろうなぁ。

「観光の町」,ですね。

3日目,8月8日。
朝,少しチェスキークルムロフを散策して,これまた世界遺産のホラショヴィツェを経由して,お目当てのモラヴィアの大草原へ。

ホラショヴィツェ
ホラショヴィツェ歴史地区は,ほんとに小さな一区画で,民族的なバロック様式の農家の建物が並んでいます。ぐるっと回るだけなら10~15分で済んでしまうでしょうか。でも,昔の農機具等を展示している1軒があったので,せっかくですから見学しました。

ホラショヴィツェ(上の写真の向かい側)
チェスキークルムロフとはうって変わり,観光客の少ないこと。農機具等の見学も,納屋の入口で鐘を鳴らすと,住居からおじさんが出てきて説明をしてくれるのでした。今も農業をしているのか,と尋ねたら,もう農業では食べて行けないとか・・・。

素朴な農家は1軒1軒表情が違っていて,結局,すべての家を写真に収めるようなことになってしまいました。妻はちぇっスキークルムロフよりも,こちらの方が可愛くて好きと言っていました。規模が違うけれど,そうなの?

モラヴィアの大草原(草地の部分のみ納めました!)
モラヴィアの大草原。
一応,位置情報を書いておこうと思います。
ブルノ(Brno)から東へホルビチェ(Holubice),ネソヴィツェ(Nesovice)まで行って,ここからミロニツェ(Milonice)を通って北上します。この一帯(主に北側)が大草原です。
ブルノからキヨフ(Kyjov)に向かう54号沿いの方がきれいという噂もありますが,こちらには足は延ばせませんでした。いずれにせよ,農地であって観光地ではないので,自分で「ここ」と言った場所を見つけては,注意して狭い道に車を停め,お気に入りの撮影スポットまで歩くしかありません。もちろん,私の写真では,プロのような美しい出来栄えは期待できないし,広大さも表現できないのですが,それ以前に,全然緑の大草原じゃなかった!
またまた勉強不足!小麦畑は7月下旬には黄金色に変わり,7月末には収穫してしまうのでした!
パノラマでも撮ってみました
そうです。私が見た草原は,かなりの部分がすでに収穫済みで土がむき出しになっていたのでした。とほほ。でも,気を取り直して何枚か「丘」の写真を撮ってブラティスラヴァに向かうことにしました。それにしても,やはりプロの写真はすごい。

夜に浮かぶUFOの塔

マンホールから顔を出すおじさんの像

ここにも

夜のミハエル門
スロヴァキアは初めての国!首都のブラティスラヴァ(Bratislava)は,オーストリアとの国境に近く,ウィーンまで40㎞くらいしかありません。

ホテルにチェックインした後,夕食を食べに歩いてダウンタウンに出かけました。せっかくなのでスロヴァキア料理を食べなくちゃ。
行ったのは,いくつかのガイドブックにも紹介されている Modrá Hviezda。6時半だと,まだ店内はガラ空きです。外のテラスで数人がお茶をしている程度。

ここで牛肉の煮込み料理 Game caserole と じゃがいものニョッキを羊のチーズ絡めた Bryndzové Halušky を食べました。サラダも注文したのだけれど,量が多いのと,だんだんニョッキが重くなってきて食べきれず。「(お腹がいっぱいで)苦しい」と言いながら,夜のダウンタウンを散策して,ホテルに帰りました。

ブラティスラヴァ城
翌日はブラティスラヴァ城の見学です。
といっても,ここは現在も修復中で,内部は博物館になっており,歴史的な内装を見ることはできません。特に有名な展示もなし。

聖エリザベス教会(青の教会)
聖マルティン大聖堂もエリザベス教会(青の教会)も,タイミング悪く中には入れませんでした。

あとはジェラートを食べながら町を散策し,今回の旅行のお土産に,ブラティスラヴァ特産の蜂蜜を買いました。

今回ブラティスラヴァで宿泊したホテルは,ダウンタウンからは少し(1.2㎞くらい?)離れたロフトホテルなのですが,ここがビールの醸造もしており,皆,わざわざ来るみたいでレストランもすごく賑わっていました。

そこで,少し遅めの昼食をホテルにもどって,このレストランで食べました。これが大正解!
ホテルの部屋も良かったけれど,レストランの料理も美味しかった。

余裕をもって,午後3時半頃にウィーンに向けて出発です。いよいよ,今回の旅も終わり。

8月10日。帰国の飛行機が成田に行く夕方の便だったので,午後3時くらいまでウィーンで過ごすことができます。
今回の旅行は,ずっとお天気に恵まれていたのですが,最終日だけは雨。この日,ウィーンの最高気温は13℃しかありませんでした。

2013年に丸3日,ウィーンで過ごしたのですが(ブログに書いてないね),いろいろ調べて,午後1時からのオペラ座のガイドツアーに参加して,フィグルミュラーの直径28cmの大きなウインナーシュニッツェルを食べようと出かけました。

まず,オペラ座に行って,ガイドツアーのチケット売り場に行ったら,「むむ!?ここ,見覚えがあるぞ?この階段のところでツアーが始まるのを待った」と,バックヤードまで見せてもらったことを思い出しました。はは。

お昼どきになって,今度はフィグルミュラーへ。本店に行ったら,なんとなく見覚えがある。この時点では,3年前,この前を通ったのかなぁくらいに思っていたのですが,お店が満員だったので支店を教えてもらって,そちらへ。
その支店で案内された席を見て,「あ,前もまったく同じ,この席で食べた」と思い出したのでした。
いやぁ,ガイドツアーといい,シュニッツェルといい,夫婦二人そろってその場に行ってみないと思い出せないなんて・・・・。
苦笑しながら,「でも,思いだせただけ良いか」と慰めていたのでした。
そうだよね。丸3日もいて,郊外のベートーベンが田園を作曲したという小道まで見に行ったのに,有名なガイドツアーやシュニッツェルを経験していないはずがないのでした。

蛇足ですが,シュニッツェルは私の好きな料理のひとつです。新婚旅行でウィーンに来たときに食べたのが,生まれて初めてのシュニッツェルでした。


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